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【慶應大医学部教授・宮田裕章1】 データで社会をより良く変える。コロナ厚労省・LINE調査の設計に奔走
概要:累計9000万以上の回答を集めた「新型コロナウイルス感染症対策のための全国調査」。なぜこのような一斉調査ができたのか。奔走したのは慶應大医学部の宮田裕章教授。データで社会をより良くするという志をもつサイエンティストに迫る4回。 #ミライノツクリテ
撮影: 竹井俊晴
LINE調査は、2種類の方法で行っている。
一つは3月5日に神奈川県でスタートし、その後、他の自治体にも広がった都道府県単位のプロジェクト。LINE利用者の一人ひとりに自治体が取得した情報アカウントの「友だち」になってもらい、長期に渡って調査していく方法だ。6月時点で25都道府県380万ユーザーが登録している。
データを取るだけの調査ではない。「パーソナルサポート」としての役割を兼ねているところがポイントだ。
ユーザーは体調に変化があった場合に、アプリのチャットボットでの対話やいくつかの追加アンケートを通じて、「医療機関の受診をお勧めします」などと個々に合わせた情報が得られ、フォローアップが受けられる。
宮田はこのフィードバックにこだわった。調査に協力してもらうためには、何かしら“恩返し”が必要だと考えていた。
発熱というごくシンプルな指標を手がかりに、宮田ら分析チームは、公衆衛生学的観点から流行状況の輪郭を浮かび上がらせた。
神奈川県の調査では、発熱の症状を訴えた人の割合は、3月中旬にかけていったん下がった後に、下旬から上昇。3月2日から行われた学校休校を皮切りに社会全体で自粛が行われたものの、桜が開花した3月中旬とその後の3連休で自粛が緩んだ、というような社会活動の量との連動を可視化する手がかりとなった。
「発熱=コロナの感染は意味しない。でも、不確実な現実の中で多角的にデータを取りながらベターを探るのも、ゴールデンスタンダードなき時代には大事な実践。実践の中で、改善策を常に回し続けていくということが必要ですよね」
ないデータは「取りに行くもの」

撮影: 竹井俊晴
もう一つは、厚労省の全国調査だ。
宮田が言うには、「スナップショットの調査」。刻一刻と変化する状況の中で、その時点での発熱者や症状がある人がどれぐらいいるかを把握するために、プッシュ通知で一斉に調査を行う方式だ。発熱の有無や職業など、ピンポイントの質問に絞る。
初回の調査では、4日以上発熱していると答えた人が全体の0.11%、2万7000人に上った。また、職業ごとの発熱者の割合も可視化。長時間の接客を伴う飲食などの対人サービス業、外回りをする営業職などで平均の2倍近以上も発熱の症状があると分かった。
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宮田が調査の構想段階から行政や企業を巻き込み、これまでにない規模での官民一体の調査を具現化したのは、「ないデータは、待っていないで取りに行くもの」と常々考えているからだ。
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「我々データサイエンティストが有事に問われるのは、方法論など何もない中で最善を尽くそうとする意志です。視界不良の中でルートを見つけ出す登山家みたいに。
新型コロナウイルスに関しては、誰もが未経験者。どうしたら情報を得られるかという収集の方法からデザインして、自ら必要なデータを取りに行く。そこの努力から始める必要がある」
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宮田はなぜ、データによる「社会変革」を目指すのか? 2回目以降はその思想の源泉を追っていく。
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(敬称略、明日に続く)
(文・古川雅子、 撮影・竹井俊晴、デザイン・星野美緒)
古川雅子:上智大学文学部卒業。ニュース週刊誌の編集に携わった後、フリーランスに。科学・テクノロジー・医療・介護・社会保障など幅広く取材。著書に『きょうだいリスク』(社会学者の平山亮との共著)がある。
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